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総合芸術と生活美学を目指して~僕の審美眼に叶う愛しい物達~
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今はなきレオン・ド・リヨンの森鳩。生涯で一番美味しかったジビエ。あまりの美味しさにまた食べにフランスに行ったほどです。これを超えるジビエ料理に出会いたい!!

by esthetisme
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自己紹介

美味しいものが大好きで、音楽、映画、絵画、文学における抒情美を追求している「るしぇるしぇ」といいます。


誕生日 14.4.1979

尊敬する人物

レオナルド ダ ヴィンチ
稀有の総合芸術者です。

好物:
フォワグラ、ピジョン、
グルヌイユ、ジビエ
アバ、ビターチョコ、
ワイン、ハーブ系のお酒、
アルマニャック、日本酒
刺身、湯葉、

嫌いな食べ物:
添加物を加えて
いる食べ物、
ジャンクフード、
ファーストフード、
インスタント食品、
チェーン店の料理、
創作料理(フランス料理
なら正統的なフランス
料理を食べたいので、
でも一店だけ例外はあり
ます。)


お腹をただ満たすための
食事ではなくて、
ゆっくりと時間をかけて
味わい、全身で美味しさ
を喜ぶことができる、
そんな料理が食べたい
です。

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裸体芸術の極致  ティツィアーノ 「ウルビーノのヴィーナス」
裸体芸術の極致  ティツィアーノ 「ウルビーノのヴィーナス」_d0059205_2217693.jpg


日本で初めてとなるヴィーナス展

古代神話に登場するヴィーナスは、愛と美の女神としてとりわけ有名です。神話の登場人物のひとりとして、また愛や美という哲学的な問題を象徴する存在として、西洋の芸術家は彼女を描き続けました。
本展では古代、ルネサンス、そしてバロック初期に至るまでの、ヴィーナスを主題とする作品を展示します。
ヴィーナスの神話が、いかに古代の芸術家のインスピレーションを刺激したのか、そして古代文化が再生したルネサンスにおいて、どのようにヴィーナスの画像が復活し、発展したのかを、約70点の絵画、彫刻、工芸品等によってたどります。

「ウルビーノのヴィーナス」は、ルネサンスのヴェネツィアを代表する画家ティツィアーノの名品です。その艶かしさによってこの作品は、以後の画家たちにとっても女性ヌードの手本となり続けました。
本展ではフィレンツェのウフィツィ美術館が誇るこの作品を、日本初公開いたします。
この他にも、フィレンツェをはじめとするイタリア各地の主要な美術館・博物館から、ヴィーナスを表した選りすぐりの作品が出品されます。

以上、本展のチラシより。

ティツィアーノの作品を鑑賞するのは2006年のプラド美術館展で見た「ヴィーナスとオルガン奏者」以来でしたが、その時以上に今回は「ウルビーノのヴィーナス」をとにかく時間をかけてじっくりと見てきました。
というのも以前、ウフィツイ美術館で見たときはボッテリチェリの「プリマヴェーラ」やフィリッポ・リッピの「聖母子と二天使」などやティツィアーノの作品でも「フローラ」のほうに目を奪われてしまい、そのときは「ウルビーノのヴィーナス」をよく覚えていなく、その前に見た同じヴィナースの作品で「聖愛と俗愛」がとても気に入っていってしまったことがありましたので。
保存状態、修復のおかげなのでしょうか、とても約500年ぐらい前の作品とは思えないほど色彩が鮮やかで、ヴィーナが生き生きとしています。人物が生き生きと、それも今に動きそうぐらいリアルに描かれているのはルネサンス絵画の特徴とわかっていてもやはり実物を見ると驚いてしまいます。
他のヴィーナスの作品と一緒に展示していたのですが、他のヴィーナスの作品との格の違いはあまりにもありすぎて、「ウルビーノのヴィーナス」以外の作品がどうしても霞んでしまい、「ウルビーノのヴィーナス」の次によかったのがアンニバレ・カラッチの「ヴィーナスとサテュロス、小サテュロス」ぐらいでしょうか。こちらに向けているヴィーナスの背中が官能的です。

裸体芸術の極致  ティツィアーノ 「ウルビーノのヴィーナス」_d0059205_2265485.jpg


ジョルジョーネ 「眠れるヴィーナス

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ティツィアーノ 「ウルビーノのヴィーナス


「ウルビーノのヴィーナス」はウルビーノ公グイドバル・デラ・ローヴェレ二世の注文による作品です。1631年に彼がフェルディナンド・デ・メディチ2世と婚約した際にフィレンツェにもたらされました。
モデルはこのヴィーナスにグイドバルドもしくは父フランスチェスコ・マリア・デッラ・ローヴェレの愛人の面影を見る説、フランチェスコ・マリアの妻エレオノーラの肖像とする説、高級娼婦とする説などなどいくつかありますがどの説も決定的なものではないため。モデルが誰かは謎のままです。
タイトルは、ヴァザーリが「芸術家伝」の中で、「ウルビー公爵フランスチェスコ・マリア所有の横たわるヴィーナス」とこの作品に言及したことからつけられました。
イギリスの美術史家であるケネス・クラークは、ジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」を「天上のヴィーナス」とし、「ウルビーノのヴィーナス」は、「地上のヴィーナス」とそれぞれ性格づけています。
事実、ティツィアーノは明らかにジョルジョーネの構想をヒントにしたにも関わらず、出来上がった作品には大きな違いがありました。
「眠れるヴィーナス」が腕を枕にした古代の眠る人物像を取るのに対して、「ウルビーノのヴィーナス」は右腕をクッションに乗せ、完全に目覚めて、鑑賞者の目を見つめています。その眼差しは誘惑的でもあるとも挑発的であるとさえ見ることもできるでしょう。
また「眠れるヴィーナス」の背景はまどろむ田園風景となっていますが、「ウルビーノのヴィーナス」ではヴェネツィアの貴族の邸の寝室に変えられています。
ヴィナースは、右手に薔薇の花(愛の象徴)を持ち、足元には小犬(忠節の象徴)、窓辺にはミルテ(結婚の象徴)の鉢植が置かれ、二人の侍女が世俗性を高めています。
何よりもこのヴィーナスの特徴づけているのは、その肉感的な肢体であり、ジョルジョーネのあまりにも完璧な美しさを誇るヴィーナスよりはるかに官能的でしかも温かな人間性さえ感じることができます。ティツィアーノの裸体芸術の極致と言うことができるでしょう。
なおティツィアーノはこの作品を描く15年から20年ほど前に「海から上がるヴィーナス」で、すでに古代的で密度の濃いヴィーナス像の表現に成功しています。
「ウルビーノのヴィーナス」がもたらした美術史の意義はきわめて大きくゴヤの「裸のマハ」、マネの「オランピア」に裸婦のポーズや官能性は引き継がれ、いずれの作品も近世から近代に至る裸体画の変遷にとってターニング・ポイントとなっています。

参考文献

「本展」図録
名画の見どころ 読みどころ 16世紀ルネサンス絵画②
朝日グラフ別冊 ティツィアーノ
by esthetisme | 2008-05-18 22:26 | 展覧会