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総合芸術と生活美学を目指して~僕の審美眼に叶う愛しい物達~
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今はなきレオン・ド・リヨンの森鳩。生涯で一番美味しかったジビエ。あまりの美味しさにまた食べにフランスに行ったほどです。これを超えるジビエ料理に出会いたい!!

by esthetisme
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自己紹介

美味しいものが大好きで、音楽、映画、絵画、文学における抒情美を追求している「るしぇるしぇ」といいます。


誕生日 14.4.1979

尊敬する人物

レオナルド ダ ヴィンチ
稀有の総合芸術者です。

好物:
フォワグラ、ピジョン、
グルヌイユ、ジビエ
アバ、ビターチョコ、
ワイン、ハーブ系のお酒、
アルマニャック、日本酒
刺身、湯葉、

嫌いな食べ物:
添加物を加えて
いる食べ物、
ジャンクフード、
ファーストフード、
インスタント食品、
チェーン店の料理、
創作料理(フランス料理
なら正統的なフランス
料理を食べたいので、
でも一店だけ例外はあり
ます。)


お腹をただ満たすための
食事ではなくて、
ゆっくりと時間をかけて
味わい、全身で美味しさ
を喜ぶことができる、
そんな料理が食べたい
です。

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一夏の感傷に浸りながら歌う姿が目に浮かびます 「ナタリー」 ウンベルト バルサモ



「ナタリー」 ウンベルト バルサモ

1 ナタリー 2 ある男のひとりごと 3 女ったらし 4 君のわがまま 5 僕の愛 6 孤独 
7 美しい印象 8 おもちゃ屋 9 もう、待てない 10 ナタリー

このアルバムというと19歳の頃にバルサモに限らずお気に入りのイタリアの音楽をイタリアで聴きたいと思い、実際にローマからフィレンツェまで旅をした夏の終りから秋の初めの日々がとても懐かしく、思い出深い一枚です。
どうして夏の終りに行ったかというとこのアルバムを聴いていて、夏の終りに薄命に散った二人の恋を思い出しながら、一夏の感傷に浸って歌っているバルサモの姿が浮んだからです。もちろんこれは僕の勝手な想像に過ぎませんがもともとイタリア盤に歌詞がないので国内盤がでても訳詞がつきませんでした。なので自分の好きなように解釈しました。でもイタリア盤に歌詞がなくても聴きとって訳詞をつけているものアルバムもあるので、誰か聴きとって訳詞をつけて欲しかったですね。
ちなみにこのアルバムの次の「蒼い天使」と「愛を置き去りにしては」には歌詞と訳詞がついています。ですのでこのアルバムを含めてバルサモの国内盤は3枚出ていて僕はその3枚と他に70年代に発表したアルバム3枚とあわせて彼のアルバムは計6枚、シングルは6枚持っています。今回のアルバムだけレコードで持っていないので、お気に入りのアルバムはCDより買えるものはレコードで聴きたい僕としてはとても欲しいのですがなかなか見つけられません。
さて6枚あるアルバムのうちと半分は冒頭に書いた旅行の時にイタリアで買うことができました。具体的にはジョン・レノンのアルバムジャケをぱくったようなジャケの1stアルバム「過去、現在、未来」となんと20年か30年以上未開封だった3rdアルバム「蒼い天使」はヴァチカンの近くのレコード屋さんで、5thアルバム「愛の黄昏」はピサでピサの斜塔に向っていたらふと途中で蚤の市みたいなところが見えたので寄ってみたらトリノから来ていたレコード屋さんのブースで買うことができました。シングルはまわったレコード屋さんに行くとたいがいあり、どれもアルバムに収録されているけどついでだからということで買いました。とっくの昔に日本人を初め各国のディラーが買い尽くしいるからなんにも買えないと思ったらこういうプレミアのまずつかないレコードは買えるのだなぁととても嬉しかったですね。それからあたりまえですけどイタリアで聴くお気に入りのイタリア歌のはとても綺麗にイタリアの風景にとけ込んでいきいつまでも止むのことのない感動の嵐が襲いました。ほんとイタリアの歌が好きでよかった、僕の青春はイタリアの歌とともに永遠にあるんだと実感しました。
さて前置きはこのぐらいにして内容を書きましょう。シチリア島に42年に生まれて、自分で歌う前の60年代は作曲家として活動していました。そして70年代になりカウンタトーレとして歌いはじめることになります。イタリアの歌い手はそれぞれ声にはっきりとした特徴がありこれはひとつの楽器として言っても問題ないでしょう。バルサモは甘すぎることなく、優しく温かみのある歌声が特徴で、後にさらりとした歌い口の中に情感を込めるといった余裕のある歌い方に変化しているように僕には聴こえます。歌い始めて最初のヨーロッパでヒットとなった「ナタリー」を含むこの2ndアルバムは名アレンジャーであるジャン・ピエロ・レヴェルベッリの透明感があり、卓越したメロディのオーケストレーションがイタリアの哀愁を存分に感じさせてくれる名盤です。とりわけ叶うことがなく終わってしまったに違いない愛の悲しみに満ちた「ナタリー」にはいつ聴いても泣かされます。歌詞なんて関係ないと思います。一度でも愛の悲しさを経験した事があるのなら、曲の雰囲気で自分のこれまでの経験に重ねて聴けば泣いてしまうに違いないでしょう。そのナタリーはアルバムの始めと終りに収録されているのですが始めはオーケストレーションで、終りにはオーケストレーションをアコギを中心にソリーナというイタリア独特のキーボードに置き換えたアレンジとなっています。これはオーケストレーションとソリーナがそれぞれ表現する情感の違いを楽しんで欲しいところです。そして「ナタリー」に代表されるようにしっとりとした曲調がアルバムの曲の大半を占めます。少し細かく見ますとナタリーの次はイタリアの女性ボーカルも熱情的なタイプが多いのでイタリアにしては珍しい透き通ったわりと奇麗めの女性ボーカルがサビを担当していて、その女性ボーカルの声がいつまでも耳に残る「ある男のひとりごと」、オーケストレーションとともにゆっくりと歌が飛翔していくようなメロディが印象的な「僕の愛」、オーケストラにブラスセクションも導入しているためひときわ盛り上がりが強く、「ある男のひとりごと」と同じ女性ボーカルと思う人とかけあいをする「もう、待てない」とナタリーに勝るとも劣らない名曲がずらりと揃っています。今ではキーボード・オーケストレーションで簡単にオーケストラの音は表現できますがそれだと音の厚みがなくて、質感が乏しいので安っぽくなってしまいます。
それとは違ってこのアルバムのアレンジを担当したジャン・ピエロ・レヴェルベッリは楽団によるオケを作っているだけあって音の質感、重厚さに雲泥の差があります。この差が歌とオーケストラが中心というシンプルで地味な曲ながらいつまでも飽きることのない味わい深さとなるんですよね。だからあまりにも流行廃りのサイクルが速すぎる現代だけに、いつまでも時の風雪に埋もれる事がない不朽のメロディがある今回のようなアルバムを聴くとほっとします。もっと今の時代にも長期鑑賞に耐え得る音楽が生まれて欲しい、今回のようなアルバムを聴くと切に願いたくなります。さてと次は落ち葉をあしらった素敵なジャケットがこれからの季節にぴったりなジャルディーノ ディ センプリチの「閑かなる庭園」をアップしたいと思います。
by esthetisme | 2005-09-21 10:16 | ラブロックなどイタリアの歌物