この魅力的な絵は、ニューカースル・アポン・タイン近郊ゲイツヘッドのフェリングに住むウィリアム・パティソンと妻アンとの間に生まれた子供達を描いています。ノーマン・パーシー・パティソンの5歳の誕生日を記念して描かれたもので、左から2番目に座っている、葉の冠を頭にのせた少年が当のノーマンです。残りの子供達は、左から順にヒュー、エセル、ヴィクトリア、マーガレット、イーディス・アン、ウォルターです。場面はフェリングウッドに設定されています。
1867年ロイヤル・アカデミーに出品されたこの作品は、有名な「4月の恋」や「長かった婚約」のような傑作を製作した時期よりもわずか後の時期に属しています。しかし、ここにも、幼年期や青春期を主題とした作品に頻繁に見出されている、優しく抒情的な感情が、遺憾なく発揮されています。実際、ヒューズが1860年代この種の作品肖像画によって名声を博しました。彼は本作品よりも少し前にこれと匹敵するような2点の肖像画を、ラファエル前派の2人の有名な後援者であるブライトンの葡萄酒商ジョン・ハミルトン・トリストとニューカースルの資本家ジェイムズ・リーサートのために製作していました。後者のための作品「リーサート夫人と3人の子供たちは」は、1865年ロイヤル・アカデミーに出品されて非常に好評を博し、本作品が注文される直接のきっかけとなりました。
1985年に開催されたラファエル前派とその時代展に展示。
本文はその展覧会の図録より引用。
これまでアップしたラファエル前派の画家とその時代の画家の作品の一覧
聖女ユーラリア/ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
エドワード・バーン=ジョーンズ/フィデス(信頼)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ/マリアーナ
ジョージ・フレデリック・ワッツ/希望
「夏過ぎて・・・・・」/ジョン・メリッシュ・ストラドウィック
フレデリック レイトン/燃え立つ6月/燃える6月/燃え上がる6月
イーヴリン・モーガン/フローラ
ロレンス・アルマ=タデマ/春の祭典
ジョン エヴァット ミレイ/りんごの花(春