ヘシオドスはホメノスよりもやや後の古代ギリシャの詩人で主作品に「仕事と日々」「神統記」があります。
いま彼は若い楽人の姿で女神ミューズの導きのままに竪琴を奏しています。
彼方の切り立った岩山の上には神殿が立ち、地上には花が撒かれています。
これは1866年にサロンに出品された水彩画を後に油彩画に直したもので1891年の年記と献辞は作者がつけたと思われます。「若者と死」と同じ系列に属する作品で、詩人には亡き友シャセリオーの面影が残されています。
参考文献 「ギュスターブモロー展(1964年度)の図録」